会長挨拶

私たちの日常生活や産業の現場で広範に使われている工業用アルコールは、国民生活及び経済活動に不可欠なものであり、その安定的かつ円滑な供給の確保は、国民経済の健全な発展にとって極めて重要な課題です。私ども工業用アルコール販売事業者は、日々の販売活動を通じその重要な一翼を担っております。

全国アルコール販売業協会は、このような役割を担う販売事業者の任意団体です。アルコール専売法下の1977 年「全国専売アルコール販売業協会」として、会員数183 社(アルコール小売人と称してました)で発足しました。その後2001 年の専売法廃止に伴い「全国アルコール販売業協会」と改称、再出発し、今日会員約150 社で活動しています。

本協会は、会員相互のコニュニケーションの増進や所要の諸施策の企画実施により、会員の社業発展、販売増進を図りつつ、お客様への信頼できる工業用アルコールの販売に取り組んでます。これまで活動としては、専売制度下では、ローリーによる販売行為の承認、販売マージンの改善、未変性アルコールに加算されていた酒税相当額の見直しによる負担軽減などの活動を行い、2001 年政府の規制緩和政策により専売法廃止の後のアルコール事業法下では、行政当局、関係業界、会員相互間との積極的な意見交換、情報交換、情報共有により、自由化という新しい環境下での工業用アルコールの安定的かつ円滑な供給に努めてきたところです。特に、近時の新型コロナウィルス感染拡大下においては、アルコール製品に対する需要が急拡大するなか、その安定的な供給に最大限努めるとともに、関係省庁から発せられ
る情報等の積極的な広報・啓蒙活動を行って参りました。

新型コロナウィルスの感染拡大は今のところやや落ち着きつつありますが、アルコール販売業界を取り巻く事業環境は大きく変化しております。人々の衛生意識が一層高まり、日常生活でアルコールを使った除菌、消毒がこれまで以上に一般化しておりますし、供給面においても円安の進行、ブラジルなど原産国での現地価格急騰による原料用輸入アルコールが急騰しております。

こうした中、今後とも変化する事業環境の変化に的確に対応しつつ、会員相互の交流や情報共有、お客様への適宜適切な情報発信、協会組織体制の不断の見直しなどに取り組み、販売事業者の使命である工業用アルコールの安定的かつ円滑な供給の確保に最大限努め、引き続き信頼されるアルコール販売事業者、販売業界を目指して参ります。関係者各位のこれまでと変わらぬご理解、ご協力をお願い申し上げます。

 全国アルコール販売業協会会長
    勝 野 龍 平